2020年3月初旬(新型コロナウイルス感染症拡大初期)、N-Partnerチームは突如として緊急対応の依頼を受けました。
当時、台湾政府はマスクの安定供給を実現するため、オンライン購入システム(いわゆる「マスク実名制」)の構築を急いでいました。その際、本人確認の仕組みとして既存の税務ネットワーク(電子申告システム)を活用する必要がありました。
電話の向こうからは、「オンラインでのマスク購入に税務ネットワークを利用するため、明日から負荷テストを実施し、2~3日後には本番稼働を開始します。至急支援をお願いします!」という緊迫した声が届きました。
このプロジェクトは、パンデミック対策においてN-Partnerが貢献する重要な機会となりました。2019年の電子申告期間において、関貿ネットワークの監視基盤構築を支援した実績があったため、今回の突発的な任務にも迅速に対応することができました。
本プロジェクトを支えるうえで重要となるのが、ネットワーク監視の品質です。
ネットワーク監視は単なるトラフィック量の把握にとどまりません。N-Partnerでは、特に以下の点を重視しています。データの非歪曲性・正確性・即時性・網羅性です。これらの要件を満たしつつ、ネットワークのコア機器に負荷を与えないことも重要なポイントとなります。
そのためN-Partnerは、台北および台中のデータセンターにそれぞれN-Probeを設置し、マスク実名制システム(通称:マスク2.0)に必要なトラフィックデータを漏れなく収集しました。さらに、暗号化および圧縮技術を用いてデータを関貿ネットワークの分析環境へ転送しました。

トラフィック取得の高精度化(非歪曲)
N-ProbeはN-Partnerが開発したトラフィック収集アプライアンスであり、マスク2.0において重要な役割を担いました。主な特長は以下の通りです:
- 1Gbps、10Gbps、40Gbpsのインターフェースにおけるミラートラフィックを取得し、1:1のNetFlow形式に変換して出力
- 導入が容易であり、運用時もネットワーク機器の性能にほとんど影響を与えない
- トラフィック分析の効率化を実現
収集したデータを活用し、各拠点のトラフィックを正確に分析し、異常な通信挙動をリアルタイムに検知します
N-Probeによって収集されたトラフィックデータはN-Cloudへ送信され、管理者が設定したIPセグメントに基づいてトラフィックの利用状況を自動学習し、アラートの閾値を自動設定します。異常な通信が発生した場合は、即時にダッシュボード上でアラートとして可視化されます。
SNMP・Flow・Syslogの三種類のデータを統合分析
これらのデータを相関分析することで、IT管理者に対して明確なトラブルシューティングのための判断材料を提供します。また、各種ログイベントやネットワーク使用状況の履歴を自動的に学習し、動的な基準値を構築します。これにより異常の検知および即時アラートの発報、さらには遮断処理までを自動で実行し、被害の拡大を防ぎます。
本プロセスにはAI技術が活用されており、従来のような手動での閾値設定が不要となり、運用負荷を大幅に軽減します。
